糖質制限ダイエットは、一般的な食生活で多量に摂取されエネルギー源となっている糖質の摂取量を減らすことで、体に蓄積されている脂肪をエネルギーとして燃焼させる事を促進し、体重を減らすダイエット方法です。 また、糖質を減らすことで血糖値の上昇を抑える事がでるため、血糖値を下降させるために体内で脂肪が生成され蓄積していく事を防ぐ効果もあります。 このように糖質制限ダイエットの肝は、何と言っても糖質の摂取量を減らす事にあります。そこで本記事では、どのような食品が糖質の含有量が少なく、糖質制限ダイエット向きであるかを解説して行きます。
豆類(大豆など)
豆類は、全般的には低糖質な食品と言えます。「大豆」や「黒豆」などは低糖質な食品として糖質制限ダイエットの強い味方といえるでしょう。 一方で、豆類であっても高糖質なものも存在しています。特に「小豆」や「いんげん」「ひよこまめ」などは、比較的多くの糖質を含んでいます。こういった食品を糖質制限ダイエット中に食べる事は、それほどオススメできません。 とは言え、一般的な穀物と比較すれば十分に低糖質な部類とも言えますので、小豆などの比較的糖質を多く含んでいる豆類についても、ことさら忌避する必要はないでしょう。 豆類には多くの栄養素が含まれていますので、様々な栄養補給という意味でも有効な食品であるのは確かです。特に大豆食品は多岐に渡りますから、糖質制限ダイエットを始めた時には大きな存在感を示すでしょう。
食品 | 100gあたりの糖質量 |
---|---|
ゆでひよこまめ | 18.2g |
ゆで小豆 | 16.5g |
ゆでいんげん | 15.8g |
ゆで黒豆 | 1.9g |
ゆで大豆 | 1.5g |
野菜
野菜類も低糖質なものが多いため、糖質制限食で積極的に取り入れたい食品です。 野菜には大きな分類として3種類あります。
分類 | 糖質量 | 代表的な野菜 |
---|---|---|
葉菜類 | 少なめ | レタス、キャベツ、ホウレンソウ、小松菜、タマネギ |
根菜類 | 多め | ごぼう、じゃがいも、大根、ニンジン、カブ |
果菜類 | まちまち | スイカ、イチゴ、トマト、キュウリ、ピーマン |
一部例外もありますが大きく分ければ、葉菜類はいわゆる葉物野菜、根菜はそのまま一般的に根菜と呼ばれるものです。分かりづらいのが果菜類、こちらには一般的に果物の一種と認知されているスイカやイチゴも含まれています。
これらの分類ごとの糖質含有量的な特徴としては、葉菜類は全般的に低糖質であるものが多くて、根菜類は高糖質であるものが多いです。果菜類はその中間的な位置付けで、比較的高糖質なものもあれば、比較的低糖質なものもあります。
糖質制限ダイエットを実践する上では、糖質を多く含んでいる根菜類の摂取は、やや控えた方が無難でしょう。葉菜類や果菜類は糖質量をチェックしつつ、適宜食事に取り入れていく事でビタミンなどの栄養素を十分に摂取する事ができます。
根菜類であっても、大根のように低糖質なものもありますので、上の表で示した糖質量の傾向はあくまでも目安として、それぞれの野菜に含まれる糖質量を確認しつつ料理に活用してください。
きのこ
きのこは糖質制限ダイエットにおいておすすめの食材です。きのこは低糖質でありながら、豊富な栄養素を含んでいます。また、きのこには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は消化を遅らせ、満腹感を持続させる効果がありますので、過食を抑制する事もできます。さらには、腸内環境の改善や便通促進にも役立ちますので、糖質制限ダイエットを実践する上では積極的に活用したい食材の一つです。 エリンギやナメコなどは、キノコ類の中では比較的多くの糖質を含んでいますが、とは言え他の高糖質な食材と比較すれば低糖質な部類に入る事は間違いありません。種類を問わず低糖質な食材であるキノコ類を上手に活用して、栄養バランスにも優れた糖質制限ダイエットを実践しましょう。
食品 | 100gあたりの糖質量 |
---|---|
エリンギ | 2.9g |
しめじ | 1.3g |
しいたけ | 0.7g |
舞茸 | 0.3g |
えのき | 0.9g |
ナメコ | 2.4g |
まつたけ | 1.5g |
海藻
海藻も糖質制限ダイエット向きの食材です。全般的に低糖質ですので、どの海藻も積極的に活用したい食材です。
ただし注意点として、味付けのりのような海藻に調味料を添付しているものについては、調味料が高糖質なものであった場合、思いのほか高糖質な食品になってしまっているケースもあります。海藻自体は低糖質ですが、調味料次第では糖質制限ダイエットには向かない食品となっている点は留意してください。
わかめや昆布は、海藻全般の中では比較的糖質を多く含んでいますが、穀物などに比べれば圧倒的に少量です。さらに、海藻に含まれている糖質は血糖値をそれほど上昇させないとする見解もあります。何れにしても、海藻に含まれている糖質量については、それほど神経質になる必要はないでしょう。
食品 | 100gあたりの糖質量※ |
---|---|
ひじき | 0.9g |
もずく | 0.1g |
わかめ | 2.6g |
昆布 | 2.9g |
焼きのり | 1.7g |
味付けのり | 13.5g |
※焼きのり以外は、生あるいは水戻しの数値
ナッツ
食事の一環と言うよりは、間食などで重宝するのがナッツ類です。
ナッツ類の糖質量は、比較的少なめなものから、それなりに多く含まれているものまで様々です。少量をつまむ程度なら問題ありませんが、多量に食べると意外なほど多くの糖質を摂取する事にもなりますので、あくまでも間食で摘まむ程度に留めておくのが無難でしょう。
くるみ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツはナッツ類の中でも低糖質です。逆にアーモンドやピーナッツはそこそこの糖質量となっており、カシューナッツに関しては少し注意が必要な糖質量となっています。アーモンドやピーナッツも、食べ過ぎなければ神経質になる必要はありませんが、カシューナッツについては意識的に避けた方が良いかもしれません。
食品 | 100gあたりの糖質量 |
---|---|
アーモンド | 11g |
カシュ―ナッツ | 20g |
くるみ | 4g |
ヘーゼルナッツ | 6g |
マカダミアナッツ | 6g |
バターピーナッツ | 11g |
肉類
糖質制限ダイエットにおいては、タンパク質や脂質を十分に摂取する必要があります。そのためには、肉類を積極的に食べるようにするのが手っ取り早いのは間違いありません。
牛肉、豚肉、鶏肉、その他も含めて、肉類はどれも低糖質かつ高タンパクな食材です。糖質制限ダイエットを行う上では「主食」と言っても良い存在感を発揮してくれますので、有難く頂く事にしましょう。
ただし、肉類自体は低糖質であるものの、調味料などの影響で料理としては高糖質になってしまうケースがある点については、十分に注意が必要です。特に甘めの味付けとなっている場合、しっかりと糖質量を確認するように心がけましょう。
食品 | 100gあたりの糖質量 |
---|---|
牛もも | 0.5g |
豚もも | 0.2g |
鶏もも | 0g |
羊もも | 0.3g |
鹿赤肉 | 0.3g |
魚介類
肉類と共に糖質制限ダイエットの献立として主役になってくれるのが、魚や貝などの魚介類です。日本人にとっては、肉類よりもこちらの方が本来的には馴染み深いと言えるでしょう。
魚介類についても、どの食材も低糖質ですので、糖質制限食では積極的に活用するべき食材です。また、魚介類に含まれる油脂は健康維持を考えた場合、非常に有益な栄養素です。栄養バランスを考えた場合には、肉類よりも優先的に摂取したい食材とも言えるでしょう。
魚類はどの魚種も概ね100gあたり0.1~0.3gとなっており、ほぼ糖質ゼロと言っても良いでしょう。エビも同様に、ほぼ糖質を含んでいません。一方で貝類は魚類に比べると糖質の含有量が多くなっていますが、とは言え穀物などと比較すれば圧倒的に低糖質である事に変わりはありません。貝類には豊富な栄養素が含まれているため、栄養補給のためにも積極的に食材として取り入れて行きましょう。
食品 | 100gあたりの糖質量 |
---|---|
サバ | 0.3g |
イワシ | 0.2g |
サケ | 0.1g |
アジ | 0.1g |
ブリ | 0.3g |
アマエビ | 0.1g |
アサリ | 0.4g |
カキ | 4.9g |
ツブ | 2.3g |
卵
栄養が豊富であり、含まれている糖質も極めて少なく、それでいて豊富な栄養素を含んでいるのが鶏卵です。料理をする上でも登場機会の多い万能食材ですが、栄養素的にも糖質制限ダイエットを行う上では欠かす事のできない有難い食材です。
低糖質かつ高タンパクであり、ビタミンやミネラルも豊富であるため、栄養素的に見て糖質制限ダイエットのために存在しているような食材です。料理をする場合にも、ありとあらゆる料理で活用できる万能食材であるため、卵があるのとないのとでは、料理のバリエーションが全く変わってきてしまうのは間違いありません。
食品 | 100gあたりの糖質量 |
---|---|
鶏全卵 | 0.4g |
うずら全卵 | 0.3g |
「美味しく楽しく」が継続の秘訣
糖質制限ダイエットは非常に効果の高いダイエット法です。ですから、しっかりと継続することさえ出来れば、多くの人が効果を実感できる稀有なダイエット法とも言えます。実際の所、始めてしまえば継続する事は然程苦にはならないため、継続する事自体の難易度も数多のダイエットの中でも最も容易な部類でしょう。
とは言え、糖質制限ダイエット事態を苦痛だと感じているようでは、当然ですが長続きはしません。日々の食生活を楽しめないという事は、生活のクオリティーを考えた場合にも望ましい状況とは言えません。
糖質制限ダイエットが持つ最大の強みは、糖質の摂取さえ制限すれば、それ以外の食品については制限する必要がない事です。
カロリー制限ダイエットの場合は、糖質に限らずタンパク質や脂質まで、全ての栄養素を平均的に制限する事が必要になります。そうなると、日々の食生活が極めて窮屈なものとなってしまいます。それでは中々継続する事はできません。仮に体重の減量に成功したとしても、押さえつけられて来た食欲が爆発すれば、あっと言う間にリバウンドの憂き目に合います。
糖質制限ダイエットなら、主に穀物や砂糖などの摂取さえ制限すれば、肉や魚、野菜などなど、様々な食材を存分に味わう事ができます。実践してみれば分かりますが、これほど気楽なダイエット法は他にありません。
今回紹介した糖質制限向きの食材を上手に活用して、楽しく糖質制限ダイエットを継続して頂ければ幸いです。